VaganteModInstallerを解説します

こんばんは、夕刻から頭がぐらんぐらんしています、ちくぼんです。 今回は前回に引き続きVaganteModInstallerの解説をしたいと思います。 今回は同梱されている設定ファイルやサンプルMODの改造方法について書いていきます。

まずVaganteModInstallerを入手する

まずはVaganteModInstallerを入手しましょう。 VaganteModInstallerのダウンロードリンクはこちらの過去記事に記載されています。 本インストーラーはダウンロード後すぐに試せるように、サンプルMODが同梱されています。

VaganteModInstallerでできること

VaganteModInstallerは画像・音声ファイルが保存されたdata.vraというファイルに、直接MODをインストールできるインストーラーです。 このソフトウェアは画像・音声ファイルの差し替え、ゲーム内文章の差し替えができます。 逆にゲーム内に新しい敵の種類を増やしたり、プログラムを追加したりといった事はできません。 後者のようなMODが作りたい方は自力で頑張ってください。

画像ファイルを差し替える

画像ファイルの差し替えはVaganteModInstallerの基本的な機能です。 画像ファイルを差し替えるには、差し替え元ファイルを、同梱されている「gfx」フォルダの、差し替え先ファイルと同じ場所に配置してください。 たとえば「gfx/chicken/chicken_dead.png」を差し替えたい場合、差し替える画像ファイルを「VaganteModInstallerのフォルダ/gfx/chicken/chicken_dead.png」に配置してください。 VaganteModInstallerのサンプルでは「gfx/chicken」フォルダに保存された鶏の画像をすべて、単色塗りされた画像に差し替えています。

音声ファイルを差し替える

音声ファイルの差し替えも画像ファイルと同じ要領でできます。 音声ファイルを差し替えたい場合には、差し替えたいファイルを「sfx」フォルダの、差し替え先ファイルと同じ場所に配置してください。 VaganteModInstallerのサンプルでは「sfx/enemy/misc」フォルダに保存された鶏の鳴き声をすべて、別の音声ファイルに差し替えています。

スプライト画像をインストール時に生成する

この機能はセヤナーMODのインストーラーから継承されました。 VaganteModInstallerはインストール時に画像を生成することができます。 VaganteModInstallerでスプライト画像を生成するにはsprite.jsonを編集します。 下の例ではスプライト画像「gfx/particles.png」を無加工で再保存しています。

{
  "gfx/particles.png": {
    "src": "gfx/particles.png", // 元画像
    "cell_width": 16,           // 1マスあたりの横幅
    "cell_height": 16,          // 1マスあたりの縦幅
    "filters": []               // 処理命令のリスト
  }
}

スプライト画像の生成が不要ならば下記のように書くこともできます。 不要だからといって文字をすべて消してしまうとエラーになるので気を付けてください。 これはすべての設定ファイルに当てはまります。

{} // 白紙はだめ!

スプライト画像をインストール時に合成する

スプライト画像をインストール時に合成するには下記のように設定します。 下記の例ではスプライト画像「gfx/items/items.png」に差分画像「gfx-diff/items/items.png」を合成しています。

{
  "gfx/items/items.png": {
    "src": "gfx/items/items.png",
    "cell_width": 20,
    "cell_height": 20,
    "filters": [
      {
        "type": "mix",                    // mix命令を指定
        "src": "gfx-diff/items/items.png" // 差分画像
      }
    ]
  }
}

スプライト画像をインストール時に部分消去する

スプライト画像をインストール時に部分消去するには下記のように設定します。 下記の例ではスプライト画像「gfx/particles.png」の1~4番目までのマスを消去します。

{
  "gfx/particles.png": {
    "src": "gfx/particles.png",
    "cell_width": 16,
    "cell_height": 16,
    "filters": [
      {
        "type": "erase",              // erase命令を指定
        "erase_cells": [ 0, 1, 2, 3 ] // 消去するマス
      }
    ]
  }
}

文章を差し替える

VaganteModInstallerは多言語向けに翻訳・文章の差し替え機能が搭載されています。 翻訳・文章の差し替えを行うにはtranslation.jsonを編集します。 VaganteModInstallerのサンプルでは英語・日本語それぞれでアイテム「Roasted Chicken」「Rotten Chicken」に関する文章を書き換えています。

{
  "ja": { // ja=日本語
    "Roasted Chicken": " Roasted Chicken?",
    "Rotten Chicken": " Rotten Chicken?",
    "Organic, Cage-free, Dungeon Raised Grade A Chicken.": " 黄色に塗りつぶされていますが、 美味しそうな香りがします。",
    "Check the expiration date.": " 灰色に塗りつぶされていますが、 変なにおいがします。"
  },
  "en": { // en=英語
    "Roasted Chicken": "Roasted Chicken?",
    "Rotten Chicken": "Rotten Chicken?",
    "Organic, Cage-free, Dungeon Raised Grade A Chicken.": "Filled by yellow, But smells like tasty.",
    "Check the expiration date.": "Filled by gray, And smell is strange."
  }
}

MOD情報を編集する

MOD名などの情報を変更するにはmod.jsonを編集します。 これらの情報はユーザーがインストーラーを起動したときに表示されます。 とはいえVaganteModInstallerのサンプルではほとんど設定済みなので、 MOD名・説明文・作成先フォルダ名くらいしか変更する必要はありません。

{
  "name": "MOD名",
  "description": "MODの説明文",
  "directory": "Modsフォルダ下にインストールされた際のフォルダ名",
  "sprite_config_file": "sprite.json",           // いじる必要なし
  "translation_config_file": "translation.json", // いじる必要なし
  "license_file": "LICENSE.txt",                 // 利用規約が書かれたファイル
  "thumbnail_file": "asset/thumbnail.png",       // サムネ画像
  "icon_file": "asset/icon.ico"                  // アイコン画像
}

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。 何度も書きますが、自分は文章を書くのが苦手なので、ちゃんと伝われば幸いです。 この記事何度も書き直してて、ソフトウェアよりもこっちのほうが時間掛かってしまい大変でした。 何かわからないことがあれば質問していただいても結構ですが、 いちいち回答するのはたいへんなので(実際に大変だったことがあります) 質問する前にあるていど試行錯誤して、自己解決していただけると助かります。